大義と大我がある支援とは何か
訪問介護を「天職」と感じながら、怒りを抱える理由
私は訪問介護の仕事に14年間従事しています。
10年間は現場のヘルパーとして、直近4年間は事業の経営を行ってきました。
この仕事は、私にとって「天職」と思えるほどにやりがいがあります。
ですが同時に、私はこの仕事に強い「怒り」も感じてしまいます。
その怒りの根本には、支援者側の「思いやり」の欠如があると感じています。
支援を“業務の一環”としてしか見ず
心を配れない人たちが、あまりにも多いからです。
支援とは、“本人の意思”を支えること
私が支援を通して
心から満たされたと感じるのは、
利用者さんと本音で向き合えてるとき。
そんな中で見つけた本心を、どうしたら現実に引っ張ってこれるかを一緒に考え、実現できたとき。
そのときの笑顔や安らぎの表情には言葉では言い表せない感動がありますよね。
これを見たくてやってきた。と言っても過言じゃない瞬間ですね。
支援とは、単に「できることをする」わけじゃないんです。
相手と心から向き合い、前に進む力を引き出すことだと、私は信じています。
「助けて」「困ってる」に、まず寄り添ってほしい
ヘルパー支援の原点は、「助けて」に対し、できる限りを尽くす姿勢です。
その声にまず、耳を傾けて接してほしい。
結果、叶わなかったとしても
誠実で真摯な対応があれば、それだけで救われる心があります。
結ばれる未来があります。
反対に、無関心な対応や業務的な返答は、
相手の「頼る勇気」や「再び相談する心」すら奪ってしまう可能性が生じてしまう。
そんな懸念を抱き、対応している人はどれほど要るのでしょうか。
“わがまま”に見える願いも、私は否定しない
ときに、利用者さんの言葉は“わがまま”に感じることもあります。
でも私は、それでいいと思っています。
もしかしたら、それがその人にとっての最後の望みかもしれない。
今後の生活に関わる大きなきっかけになるかもしれない。
それが叶うことで、生きる気力が戻るかもしれない。
だから私は、「支援する立場の目線」だけではなく、「その人の背景」や「願い」にも寄り添いたいのです。
ここで大切なことが、誰に対しも「公平であること」なんです。
そういう私も正直あります。
自分の色眼鏡で相手を選んだり、都合に合わないからと、すぐ断ろうとしていることが。
支援者も人間ですから、あるでしょう。
でも、あくまで「仕事、支援者」としての立場を持って接し続けて欲しいと思います。
無関心よりも、業務的な人にこそ強く怒りを感じる
私が本当に腹が立つのは、「無関心」な人よりも、相手の気持ちや背景をくまずに、自分の都合や考えだけで接する人たちです。
どうしてその人が頼ってきたのか?
今どんなことに困っているのか?
それを理解しようとも考えようともせず、「忙しいんです」「無理です」「できません」で終わらせる。
可能性を無視する態度に、支援者としての誠実さを感じることが出来ず
私も敬意も評することができないのです。
極論、「なんでも話してください」「相談してください」というのは口だけですか?と
私が逆の立場になれば思ってしまいます。
それくらい、人に頼ること、胸の内を明かすことは容易ではない。
という意識を持って接して欲しいと思います。
本人が前を向けるよう、支え続けたい
訪問介護の基本は「信頼」です。
その人の言葉の裏に隠された心の声に寄り添い続けること。
ときに言葉にしずらいことを感じ取り、こちらから歩み寄ることだってできます。
それができれば、信頼は少しずつ積み重なります。
その信頼の上で、「大丈夫」と思える環境ができれば、
その人は自然とやりたいことに挑戦できるようになります。
「その人がその人らしく生活をする」ってそういう事だと思いますし、
それが訪問介護が目指すべき支援の本質だと考えます。
たとえ全てを完璧にできなくてもいいんです。
不器用でも、時間がかかってもいいんです。
本気で向き合ってくれたかどうかは必ず相手にちゃんと伝わります。
「アナタがいたから前に進めた」「アナタに出会えて良かった」
この言葉は、付加価値です。財産です。
私もそう思ってもらえるような存在になりたいと思いますし、そう思われる人が増えたら、嬉しいですね。
思いやりが“自然にある”世界を広げたい
この仕事は、大変で、重く、責任のある仕事です。
人に気軽に勧めれる職ではないです。
ただ、「思いやりが自然に存在する社会」を広げるという大義に必ず繋がると仕事のひとつと考えます。
助け合いが当たり前にある社会。
老若男女、国籍を問わず、人が人として支え合える社会。
その中で、この誇り高き仕事をできる幸せを私は噛み締めたいと思ってます。
経営者としての私の責任と願い
ヘルパーが心からの支援ができるように、私は経営者として、環境づくりにも力を尽くしたいと思ってます。
たとえば——
- 事務作業の負担を軽減し、支援に集中できる体制を整えること
- スタッフ一人ひとりのメンタルケアを丁寧に行うこと
- 心身の状態やライフステージに応じて、柔軟にシフトを調整すること
- 利用者さんと支援者の間に立ち、互いにとって最適な関係性を築くサポートをすること
そして私が願う「思いやりのある支援」とは、
利用者さんだけでなく、ともに働く仲間や家族、すべての人に向けられるべきものでもあると思うんです。
小さな思いやりが、職場に広がり、家庭や社会にまで波紋のように届いていく。
その広がりこそが、支援の真の力であると私は信じています。
小さくても確かな光を、一人ひとりの心に届けられるように
そんな現場と社会を、これからも一緒につくっていきたいと思っています。
まとめ
- 支援には、大義(何のために)と大我(自分を超えた思いやり)が必要
- 寄り添う姿勢こそが、支援の第一歩
- 利用者の本心や願いに向き合うことで、誠実な支援が生まれる
- 思いやりが当たり前にある社会を、訪問介護から広げていきたい
- 経営者として、その支援環境を整える覚悟がある
最後までお読みいただきありがとうございました。
