キャンセル料って高い?訪問介護の現場から考えてみたこと
はじめに
訪問介護のサービスを利用していると、「急に都合が合わなくなった」「仕事や体調の都合で予定通りいかない」そんな日もありますよね。
そんなときに気になるのが、“キャンセル料”。
「ヘルパーさんに来てもらえなかったのに、お金がかかるの?」
「少し遅れただけなら、なんとかならないの?」
そう感じたことのある方も、少なくないかもしれません。
今回は、実際の現場で起きた出来事をきっかけに、ソニアがどのようにキャンセル料と向き合っているかをお伝えしてみたいと思います。
ある日のこと
7月に入って間もないある日のこと。
その日、訪問を担当するヘルパーが、利用者さま宅へ向かいました。
その利用者さまは、これまで2人体制で対応していた方。
6月中にそのうちの1人が業務から外れることになり、それに伴って訪問曜日や時間帯も変更になったばかりでした。
加えて、利用者さまのスケジュールも少し不安定になっていた時期。
お互いに「新しいリズム」に慣れようとしていたところでした。
そして迎えた7月初回の訪問。
ヘルパーが予定通りの時間に到着したものの、インターホンを鳴らしても応答がありません。
電話をかけてもつながらない。
「もしかしたら出先で時間を勘違いしてしまったのかも…」
はたまた「自宅で倒れているのでわ…」
そう思ったヘルパーは、すぐには帰らず、その場で静かに待つことにしました。
それから1時間ほど待機したそうです。
その間、事態を共有しているサ責とケアマネさんとで連絡を交わし
結局、利用者さまは外出していることが判明。戻るにしても、ということで
その日は、稼働そのものがキャンセルとなりました。
伝えづらさの先にあるもの
その後も状況を共有をし続け、私のもとへも報告が来ました。
そして、「当日キャンセル」として、キャンセル料(利用料金の100%)が発生する旨を利用者さまへご案内することを打診。
このとき、利用者さまからの言葉が届きました。
「1時間待ってただけなのに、全額…?金額もちょっと高い気がして…」
その声を聞いたスタッフも、気持ちがわかるが故に、狼狽したようです。
たしかに、実際に支援が行われなかった日でもある。
「今回は仕方なかったかもしれない」と思う気持ちも、心のどこかに残ります。
けれど同時に、こんなふうにも考えました。
「この訪問のために、時間を調整し、準備をし、行動してきた。その事実は、目に見えなくても確かに存在している」と。
キャンセル料って、なんのため?
キャンセル料という言葉には、少し冷たい響きがあるかもしれません。
けれど、私たちはそれを“罰やペナルティ”として捉えているわけではありません。
私たちソニアでは、訪問介護という「人が動くサービス」を継続的に、安定して提供していくために、キャンセル料という仕組みを大切なルールのひとつとして設けています。
1件のキャンセルが、1人のスタッフの半日を塞いでしまうこともあります。
他の利用者さまのご希望に応えられなくなることもあります。
それでもその時間を確保して来てくれたスタッフの存在が、見えないまま埋もれてしまわないように。
キャンセル料は、その思いを支える“見えない土台”でもあります。
もちろん、体調不良や急な事情があるときなど「致し方ない理由」であえば
こういった対処はしませんが、今回の件はそうではない。という私の判断のもとでした。
柔軟な対応も含めて、ソニアの介護は「人と人との関係」を大切にしていくつもりです。
判断をぶらさない理由
「今回は免除でいいんじゃない?」「1時間だけだし、半額でも…」
そう感じることは至極当然ですし、理解もできます。
とはいえ、そうすることで生じる“誰かだけが得をし、誰かは損をする”構造。というのは、私自身、許せないんですよね。
だからこそ私たちは、あらかじめお伝えしている誓約内容というルールに基づき、誰に対しても公平に、誠実に対応することを心がけています。
それが結果的に、利用者さまにも、スタッフにも、そして地域全体にとっても安心できる土台をつくると信じているからです。
おわりに
私たちは、ルールをただの「線引き」としてではなく、信頼を育むための“橋”のようなものだと考えています。
キャンセル料をめぐる今回の出来事も、ソニアとしての在り方を見つめ直す、ひとつのきっかけとなりました。
どんな出来事も、次につながるチャンス。
これからも、ご利用者さまとの関係を一つひとつ丁寧に育てながら、より安心して頼っていただける存在を目指していくことを誓います。
まとめ
- はじめに
- ある日のこと
- 伝えずらさの先にあるもの
- キャンセル料って、なんのため?
- 判断をぶらさない理由
- おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
